中学校ゆとりロケ2

 6:00ちょうどに起床。意外と熟睡できた。まず顔を洗って歯を磨き、事前に持ってきていた服に着替える。そして6:40ごろロケバスのところに行き、荷物を載せて会社を出発。今日は何故か飛び入りで、カメラマンの大手さんがロケに来てくれた。ロケバスで東名高速を走っているときに、ふとフロントガラスに水滴がついた。なんと雨!これはヒジョーにやばい。昨日は晴天だったので、もしも今日雨になってしまうと絵がつながらなくなってしまう。せめて曇りならなんとななるかもしれないのだが、雨だとどうにもこうにも対応できなくなってしまう。どうなることやらと思いつつ、現場に向かう。
 8:00ごろ、中学校に到着。ここで担任の先生とちょっと話をする。そしてとりあえず撮影現場に向かうことにする。現場に着いてみると、ウソのように雨があがり、晴れ間が見えてきた。
 まず最初はエンディングシーンから撮影。事故にあった2人の女子生徒が安全な乗り方をマスターして、にこやかに自転車をこいでいるシーン。ただ、この現場はゴミが非常に多く、まず最初はゴミ拾いから始める。ついでに自転車が通るコース上にある落ち葉を全て道の脇に掃き出す。準備が整ったところで撮影開始。カットごとにサイズを変えながら順次撮影していく。
 続いて現場を学校の図書館に移し、クラス委員がホームルームでの発表のための調べ物をしているシーンを撮影する。これは意外と早く終わったので、本来だったら午後撮影する予定だったものを繰り上げて午前中に撮影する。次のシーンはクラス委員役の男子生徒の家を借りて、事故にあって休んでいる女子生徒をクラス委員が訪れるシーンを撮影する。玄関先でのやりとりを撮るのだが、玄関が意外と狭めだったため、僕は家の外で車が来たことを撮影スタッフに伝える作業をやる。車が通るとその音がセリフにかぶってしまい、カットが使えなくなてしまうので、車が通っていない瞬間を見計らって撮影を行わなければならない。ここでの撮影は11:30ごろ終了。一旦学校に戻る。
 学校に戻ると、既に昼食の弁当が届いていたので、すぐに昼食のセッティングをしてスタッフに食べ初めてもらう。会社に入った当時よく言われたのが、「ADは一番最後に食べ始めて、一番最初に食べ終わらなければならない」ということである。みんなの弁当とお茶の準備をして、自分が一番最後に食べ終わり、みんなが食べ終わる前に食べ終えて、食べ終わった弁当やゴミの処分、次の撮影の準備などをしなければならない。それ以来僕はできる限りこの言葉を守るようにしている。今回も一番最初に食べ終えて、食べ終わった人たちの弁当箱を片づけていく。そしてすぐに次の撮影の準備を始める。
 12:30ごろ学校を出て、続いての撮影現場である住宅街に向かう。ここではクラス委員が、自転車がおじいちゃん(エキストラ)をひきかけて、そのまま立ち去るというシーンを撮影する。僕はここで自転車に乗って、おじいちゃんをひきかえる役をやる。実を言うと、僕は以前、ディレクターの日向さんからロケを手伝ってくれと言われたとき、おじいちゃんを自転車でひきかける役のことだけしか言われなかった。だから今回のロケは、僕はそのシーンに出演すればよいだけかと思っていた。しかし、ロケが近づいてきたころによくよく聞いてみると、知らない間にスタッフに組み込まれてヘルプのADをやることになっていた。
 基本的に僕はいつも自転車で危険な運転をしているので、こういう内容の撮影は日常を繰り返しているかのごとく簡単にできた。よく銀座や日比谷あたりの歩道を原付ぐらいのスピードで走り、歩行者の目の前をすごい勢いで通りすぎているので、今回のシーンにはうってつけだった。本番でもいつもの通り、おじいちゃんの寸前を勢いよく通りすぎ、4回目にOKが出た。撮影後、みんなから「隼田の本性が見えたような気がする」と言われた。しかしそれは誤解で、僕はおじいちゃんや子どもの近くで危険な運転はしないのである。しかし、おそらくみんなの心の中には「隼田はひどいヤツだ」という記憶が植え込まれてしまったことだろう。
 続いて場所を公園に変えて、今度はクラス委員と事故にあった女子生徒の会話シーンを撮影。ただ、この公園は非常に風が強く、さらに近くに病院があることから救急車の音が頻繁に聞こえてきて、撮影のタイミングをつかむのが大変だった。ロケハンで一度訪れたときにはバックに葉の茂った木があったらしいのだが(僕はロケハンに行っていない)、今日行ってみると葉がカットされていた。そのためかどうかわからないが、大手さんがその辺にある枝を折り、後ろから男子生徒の顔に影を落としていた。まるで黒澤明の羅生門みたいで、これがいい味を出していた。15:00ごろ、ここでの撮影は終了。これで残るは夜のシーンだけ。ただ、このシーンはおじいちゃんだけしか出演しないので、ここで横須賀を離れることにする。生徒と先生を学校に送り届け、スタッフとエキストラのおじいちゃんは東京に戻る。
 道路が混んでいたせいもあり、会社に着いたのは18:00ごろだった。それから一旦機材を会社に戻し、必要な物だけ持って近くの公園に移動する。ここでおじいちゃんの目と耳のシーンを撮影する。続いて会社のすぐ横にある路地で、夜間の自転車の走行シーンを撮影する。これで今日の撮影は全て終了。
 そのまま帰ってしまおうかと考えていたのだが、なんでも日向さんと秋山さんが明日、「Gフーズ」の編集らしく、そこで使うテロップとCGの作り方を教えてほしいということだったので、一通りやり方を秋山さんに教える。そのスキを縫って、明日の日経ビジネス創刊30周年記念特別セミナーの京都会場に持っていくものを準備する。さらに、日機連99で企業との打ち合わせ日時が決まったものを、ディレクターの林さんに電話で連絡する。
 21:40ごろ、全ての作業を終え、会社を出る。


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