今日は8:00からプロデューサーの阿部さんが担当している別の作品の作業を手伝うことになっていた。そのため、寝る前に携帯のタイマーを7:50にセットして寝た。寝袋の中で熟睡していると、ふと誰かが僕を呼ぶ声が聞こえた。顔にかけてあったハンカチをとってみると、すぐそこに阿部さんがいた。どうやら起こしに来てくれたようだった。時計を見てみると8:30になっていた。ちょっと申し訳ない気持ちで自分の机に戻る。
阿部さんから頼まれた作業は、MacintoshのMicrosoft Wordで作った台本をWindowsのWordできっちりレイアウトを整えることだった。うちの部にはMacintoshが6台ある。その他にも自前でPowerBookを購入して机に置いている人も数人いる。しかしWindowsパソコンを持っている人は僕しかいないのである。そのため、こういったWindows関連の書類を扱わなければならない作業のときには、必ず僕が呼び出される。つい先日まで阿部さんも机の上に自前のWindowsデスクトップを置いていたのだが、年末家に持って帰ったきり持ってきていないのである。しかも阿部さんのパソコンにはMicrosoft Wordが入っていないので、いずれにせよOffice書類を扱う場合は、全て僕がやらなければならないのである。とりあえず阿部さんが作ったMacintoshのWordファイルをファイルサーバ経由で僕のメビウスまで持ってくる。拡張子をつけてファイルを開いてみると、案の定レイアウトが狂っていた。Microsoftの発表では、MacとWinのOffeceファイルは完全互換と言っていたが、それはウソである。単にファイルの読み込みができるだけで、レイアウトなど細かい点は狂ってしまうのである。寝起きで頭が混乱している中、とりあえずWindows上でレイアウトを整える。そのファイルを再びファイルサーバに戻し、阿部さんにディレクトリの場所を伝える。なんでも、スポンサーがWindowsのWordしか持っていないため、メールで送る前にWindowsのWordでレイアウトを整えておこうと思ったらしい。
阿部さんの作業が終わると、ひたすら細々とした雑務をやり続ける。昨夜編集が終わったCMを佐野さんに見てもらおうと思っていたのだが、佐野さんはどうも忙しいらしく、ちょっと現れてはすぐにどこかに消えていく。なんでも明日、別の番組の編集が入っているらしく、その準備がとても大変だということだった。
13:00ちょうどにCG屋さんが会社に現れる。昨日試写した作品で数カ所CGの直しが出た上、さらに1個追加が出てしまったため、会社で打ち合わせをすることになったのである。13:10ごろ、ディレクターの林さんも会社に来たので、3人で会議室に移動して打ち合わせを始める。先日CG屋さんから受け取ったVHSのレベルのCGを見ながら修正点を絞り込んでいく。最後に追加分のCGについての話になったのだが、これが非常に文字数が多く、とても1画面では入りきらないような分量だった。とりあえず僕も必死に知恵を絞り出し、1枚に収まるようなレイアウトを考える。最終的にはCG屋さんが1度レイアウトして、その原稿を明日、僕にはメールの添付で、林さんにはFAXで送ってもらい、それを見て僕らが可否を判断して結果を電話で知らせるという方法をとることになった。
CGの打ち合わせが終わったのは14:00ごろ。それからすぐに林さんと6階のオフライン編集機の部屋に行き、エディットシートをとり始める。今回林さんは2人がかりでエディットシートをとることを提案してきた。その方が僕にとっても楽なので助かる。林さんがテープを回し、僕が林さんの言うように数字をシートに書き込んでいく。林さんのシートの書き方はちょっと普通と違い、見慣れないものだったが、しばらく書いているうちに慣れてきた。14:30ごろ、プロデューサーの阿部さんが僕を呼びにきたので、シートとりの作業を一旦中断する。なんでも朝やったのと同じ作業をもう一度やってくれとのことだった。素早く作業を終わらせ、再び林さんのもとに戻ってシートをとり始める。16:00ごろ、シートとりの作業をとりあえず中断する。残りは来週金曜日にやることになった。
自分の机に戻った僕は、すぐに18:00から始まる編集の準備を始める。既に荷物はひとまとめにしているので、それほど準備に時間はかからなかった。しかし1つ不安要素があった。これから編集だというのにまだエディットシートをとっていなかった。オフライン編集のテープを佐野さんに見てもらっていないので何ともできないのだが、何もないまま編集室に行くわけにはいかないので、とりあえず今僕が編集した段階のものシートを急いでとる。全体で4カットしかないので、すぐにシートを書き終わる。
17:00ちょうどに佐野さんと一緒に会社を出て、タクシーで浜町の東京テレビセンターに向かう。この受付で17:30にスポンサーと待ち合わせをしている。しばらく受付ロビーで佐野さんとスポンサーを待つ。その間、昨夜作った第2案を佐野さんに説明する。すると佐野さんも2案目の方がよいと思ってくれたらしく、「2つ目の方がまとまってますね」と言ってくれた。僕自身もそう思っていたので、今日はできれば2案目を採用してもらいたい。そう思いつつ佐野さんと話をしていると、17:30ちょうどにスポンサーとチケット発売元の人が現れた。すぐに編集室に移動する。
編集室に入ると、まずスポンサーにがんばって作ってきたCM案2つを見せる。すると、チケット発売元の人はどちらも気に入らなかったらしく、この場で改めて考え直すことになった。4人で編集素材を見ながらカットを決めいき、その内容をオペレーターに伝えていく。結局SECAMのVHSからNTSCのBETACAMに立ち上げた荒れた映像をフル画面で使うことになった。僕はできればフル画像で荒れた映像を出したくなかったので、ベースを写真にして、その上にDVEで縮小した映像を流すようなイメージで構成していたのだが、先方にしてみればせっかく手に入れた映像をなんとか目立つように使いたいとのことだった。残念だが、先方の意見を全面的に採用せざるを得ない。とりあえず映像をつないでいき、ファーストカットにテロップを配置していく。テロップの出し方と色を僕が決め、残りの部分をスポンサーに確認してもらう。続いてラストカットのテロップを配置していく。ここまでできあがったものを白マザーにして、新しいD2をマスターにする。残りのカットにもテロップを配置して、色、出し方を決めていく。全ての作業が終わったのは20:00ごろだった。ここでスポンサーとチケット発売元の人は帰る。僕と佐野さんはVHSへのコピーが終わるのを待ち、荷物を預けて編集室を出る。
東京テレビセンターからの帰りに、佐野さんが「ごはんを食べて帰りましょう」と言ってきたので、近くのアジア料理屋に入ってビールを飲みながら今日の編集の話をする。佐野さんはビールに続き日本酒を飲み始めた。佐野さんは明日も編集があるのに大丈夫なのだろうかと思いながらも、あまり気にせず今日のことを話し続ける。21:00ごろ店を出て、営団地下鉄人形町駅から日比谷線に乗って茅場町に戻る。
会社に戻ると、僕は明日のスタジオ収録の準備を始める。明日スタジオ収録を行うのは僕が担当している作品ではないのだが、人数が足りないということで僕がかり出されたのである。メインのADが別にいることはいるのだが、僕の方でも考えられる全ての荷物を準備しておく。明日はメインのADの岡田さんが先にスタジオ入りして準備を始め、僕は会社からディレクターの高橋さん、カメラマンの大木さん、カメラアシスタントの小林さんと一緒に荷物を持ってスタジオに行くということになっている。
荷物の準備を終えた22:00ごろに会社を出る。今夜はどうも熱っぽい。まだカゼが完全に直りきっていないようだった。明日は朝が早いので、早めに寝て体力を蓄えておかなければならない。部屋に戻って急いでシャワーを浴び、0:00にはベッドに入って眠りにつく。