特番のスタジオ収録
 今日は特番のスタジオ収録の日。この特番はいつものレギュラーのプロデューサーが立てた企画で、去年の10月ごろに立ち上がったもの。制作スタッフもいつものレギュラーを担当している3社。といっても僕はレギュラーの方をメインでやっていたため、特番のロケには行っていない。今回のスタジオ収録だけ手伝うことになっている。
 10:30ごろスタッフルームに到着。スタジオに持っていく荷物をアルミケースに詰め込んでいく。11:40ごろスタッフルームを出発。タクシーに乗ってテレビ局に向かう。12:00ちょうどに局に到着。今日は会社の他の番組から臨時のヘルプスタッフが2人来てくれることになっている。その2人は普段、別の局の番組を制作しているので、今回局内に入るためには僕と一緒に入らなければならない。そのため入り口の外で待ち合わせることにしている。タクシーを降りるとすぐにヘルプスタッフの2人が目に入った。2人を連れて入構手続きを行い局内に入る。
 まずはスタジオに向かう。建物を移り、エレベーターを登り、廊下を歩いた先にあるスタジオにみんなで移動する。スタジオ内にはまだ誰も入っていなかった。とりあえず僕らは荷物を置き、局内を案内。今日の収録で出演してもらうゲストをこの2人に迎えに行ってもらう可能性もあるため、今のうちに道を教えておかないと、いざ本番前に大あわてということになってしまう。ただでさえ僕がいつも行っている局は内部が複雑な構造になっているため、口頭で「スタジオ前のロビーの脇にある階段を1階分降りて、連絡通路を渡ってすぐのところにある扉に入り、まっすぐ歩いて左手にあるエレベーター横の階段を下りて・・・」と言っても、絶対に道に迷ってしまう。
 一通り案内し終わったところで再びスタジオに戻る。しばらくすると他社のスタッフが現れた。ちょっとだけ話をして、すぐまたうちのスタッフの元に戻る。13:00から副調整室にて制作打ち合わせが始まる。ここで今回ホストを務める会社のディレクターから流れ、段取りについての説明がなされる。途中、もの出し、ゲスト登場などの際にはその都度担当を決めていく。
 13:50ごろ制作打ち合わせが終了。一旦スタジオに移動して持ってきた荷物をバラし、すぐ使いそうなものを取り出しやすいようにしておく。14:00になると今度は技術打ち合わせが始まる。僕らもこの打ち合わせに同席し、先ほど制作打ち合わせでチェックしたことをもう一度確認していく。
 15:00に技術打ち合わせが終了。すぐにスタジオに移動し、カメラリハーサルの準備を始める。ほどなくしてリハーサル開始。まずはゲストの位置決め。フロアの制作スタッフ総出でゲストの代役となりスタンドインする。位置決めが終わるといよいよ台本の中身に沿って進行を確認していく。
 16:30ごろリハーサル終了。ここで僕はいつもやっているレギュラーの手伝いをやることになった。うちの会社のもう1班が今週末からロケに出るのだが、そのときにレポーターの顔写真が必要らしく、それを今日撮影して、すぐに実験を行う大学に送らなければならないらしい。先輩ディレクターが控え室にレポーターの写真を撮りに行く。ほどなくして戻ってきた先輩ディレクターは撮ってきたばかりのカメラからフィルムを撮りだし僕に差し出した。それを受け取った僕は走って局の外に出て、ちょっと離れたところにあるパレットプラザ(DPEショップ)に入り、現像をお願いする。実は局のすぐ近くにも別のDPEショップがあったのだが、局に近い方の店は現像に55分かかる。一方パレットプラザは23分で仕上げてくれる。ものすごく急いでいる状況だったので、今回は迷うことなくパレットプラザにお願いすることにした。現像してもらっている間、僕は近くのOffice Depotに入り封筒を購入する。途中でスタッフルームにいる先輩ADに電話して、バイク便を手配してもらう。
 再びパレットプラザに戻り現像のあがりを待つ。20分ほどで現像は完了。焼き上がりホヤホヤの写真を封筒に入れ、バイク便を待つ。待つこと10分、ようやくバイク便が到着。封筒を渡し、伝票の控えを受け取り、到着予定時刻を聞く。バイク便が店を離れ出発したところで、僕も急いで局に戻る。
 スタジオに入ると、人気が少なかった。ちょうどMC打ち合わせをやっている時間帯らしく、主要なメンバーはそちらに行っているようだった。僕らはスタジオで最終的にモノの配置などを仕上げていく。18:15になると予定通り客入れを始める。そして18:30、いよいよタレントがスタジオに入ってくる。今回の収録にはタレント9人、局アナ2人の計11人が出演する。けっこうな大所帯だけにまとめるのが大変だったりする。しかしこの特番ならではの緊張感がたまらなくいい。本番直前のこの「いよいよ始まるぞ!」という何ともいえない緊張感がすごくいい。
 ほどなくして本番スタート。メインのタレントがかなりハイテンションで番組を進めていく。それに合わせてゲストのタレントもうまくからんでくれていた。本番中、僕の役目はモノ出し。進行に合わせてモノを中に入れていく。途中、局アナの飼い犬を登場させるためにスタジオのソデで待機しているとき、犬から顔中をなめられて顔がべちゃべちゃになってしまい、かなり大変なことになってしまった。何とか顔を拭きたかったのだが、両手で犬を抱いているためポケットのハンカチまで手を持っていくことができなかった。仕方なく何食わぬ顔して、そのまま犬を飼い主の局アナの元まで連れて行った。
 このような感じで、本番中はモノ出し、ハケ、そしてゲストの迎え、送りなどをやって過ごす。何もやってないときはスタジオのソデで進行を見守っていた。さすがにタレントのみなさんのトークはおもしろく、僕も客と一緒になって大爆笑していた。
 22:00ごろ、ようやく全ての収録が終了。今日は非常に楽しい収録だった。タレントたちの進行もさることながら、特番ならではの「特別!」という雰囲気がこれまたよかった。普段は楽しいこともあるが、厳しいことがその数十倍もあり、時にはへこたれてしまいそうになることもある。でも、たまにこういうムチャクチャ楽しいことがあると、「これまでがんばってきてよかった」と改めて感じることができる。これだからこの仕事はやめられない。何はともあれ今日は大満足。とても楽しかった。
 収録後、持ってきた荷物を片づけ、アルミのケースに詰めていく。もろもろ片づけをしていると、いつも一緒にレギュラーをやっているディレクターがやってきて、「これ今日中にFAX入れといて」と言って去っていった。何かと思って見てみると、それは大宅壮一文庫の検索結果のFAXだった。中身を見てみると、所々、ペンで印をつけているところがあった。どうやら印のついている記事の本文複写依頼を出しておけとのことらしい。ちなみに検索条件の欄には「朝食」と書かれていた。一瞬、「??」と思ったが、すぐにわかった。「次のネタは朝食か!」と思い、すぐにディレクターに確認してみると、案の定その通りだった。朝食とはこれまた難しいネタを!と思ったが、難しいネタからおもしろいネタを調べてくるのが僕の役目。気合いを入れてがんばらないといけない。
 そんなこんなで23:00ごろ、スタジオでの全ての作業が終了する。荷物を持って局を出て、タクシーでスタッフルームに移動する。スタッフルームにはもはや誰もいなかった。とりあえず荷物を片づけ、すぐに大宅壮一文庫の複写依頼用紙を記入し、FAXを流す。
 23:30ごろ全ての作業が終了。荷物をまとめてスタッフルームを出る。