黄昏の東京湾

往路ではなく復路でアクアラインに乗ろうと思ったのには理由があるのです。昼間のうちに富津岬を見て、帰りはおそらく夕方になるだろうと予測していました。ということは、もしかしたらアクアラインの途中にある海ほたるで海に沈む夕日を見ることができるかもしれない。そう思ったのです。東京に住んでいるとなかなか海に沈む夕日なんて見る機会がありません。実際のところアクアラインから見える日没地点は海ではなく陸地だったりするのですが、そもそも出発の時点で空気が澄んでいないことがわかっていたので、海ほたるから対岸の陸地はほぼ見えず、海に沈んでいるように見えるのではないかと予測していたのです。

うまい具合に海ほたるから夕日を見ることができるかどうか、あまり自信はなかったのですが、とりあえず車を駐車場に停めて展望台へ登ってみました。すると見事！予想的中！対岸の陸地は海から立ち上がるもやに隠れ、太陽がまるで海に沈んでいるかのように見えました。場所は東京湾。日本でも有数のコミコミ海路です。海の上には大小様々な船が行き交っています。夕暮れ時の太陽の光で照らされた海面、その上をゆっくりと移動するタンカーの様子は、まるで映画のワンシーンのようでした。