街角散歩

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2011年4月 1日

堤防の小道

堤防の小道

前のエントリの続き

昨日のエントリで書こうを思っていたのですが、またしても文章が長くなりすぎてしまったので再び持ち越しました。ということで今日は昨日に引き続き「フィルム」についての話。

ウェブや本などでフィルムでの撮影に言及している文章を読んでいると「フィルム撮影の場合は撮影時の設定を記録しておいた方がいい」という記述をよく目にします。撮影時の設定とはレンズの絞りやシャッタースピードなどのこと。

現像からあがってきたフィルムを見て、設定メモと見比べながら「このぐらい絞るとこんな風に写るのか」「この設定では暗くなりすぎたので、今度同様の状況があったらもっとシャッタースピードを遅くしよう」というように、後から自分の撮影状況を振り返ることで、そのときの「気づき」を次回以降の撮影に活かせるようにするためのプロセスです。

デジタルカメラの場合は画像ファイルに「EXIF」という形式で撮影時のデータが自動的に埋め込まれるようになっているのですが、当然のことながらフィルムの場合は全く記録されません。なので、ちゃんと記録しようと思ったら数枚撮って、メモ帳を取り出して設定値を記録。メモ帳をしまって再び撮影。というようなアクションになります。

ここ最近フィルムカメラに目覚めた僕は基本中の基本としてセオリー通り、メモ帳を持って撮影データの記録にトライしてみました。カメラを持って街中をブラブラ。シャッターを押したらメモ帳を取り出しデータをカキカキ。メモ帳をしまって再びブラブラ。という感じで、写真撮影とデータ記録を並行してやってみました。

現像あがりの写真と自分のメモを見比べてみると、確かにいつもは気づかない発見が多々あります。デジタルカメラの写真はEXIFにデータが全て入っているのですが、データが「ある」と思うと安心して見ないもので、むしろ手書きの殴り書きメモの方を真剣に読み返したくなってしまいます。

ということで先人たちの言うように撮影データの記録はとても重要なプロセスであることは身を持って理解できました。ただし!撮影中にメモを撮るのはとてもめんどくさいです。慣れれば気にならなくなるかもしれないと思い、これまで5回ぐらい撮影データ手書きメモ記録にトライしてみましたが、めんどくささは全く拭えませんでした。

屋外で写真を撮って、ポケットからメモ帳を取り出してボールペンで「13:45 桜の花びらアップ f5.6 1/250」みたいなのをひたすら書いていくわけですが、立ったままメモ帳を手に持って字を書くのはけっこうめんどうで、しかも時々強風にあおられメモ帳がどっかに飛んでいきそうになったりと、なんだかんだと気をつかいまくってしまいます。

このプロセスをどうにか簡略化できないかと思い、2つのステップで改善策を模索してみることにしました。ひとつは記録シートのフォーマット化。これまで白紙のメモ帳に適当にデータを記述してたのですが、さすがに枠か何かを設けてないとパッと見てわかりにくくなります。ヘタすると行がズレてたりして間違ったデータを見てしまう可能性もあります。

ということで世の中誰かがイケてるフォーマットを作っていたりしないかと思い、ウェブで「撮影データ」みたいなキーワードで検索してみました。すると以下のようにフォーマットを作って公開している人を発見。

撮影データの記録 - CMEHAPPY
写真講座テーマ10 撮影データ記録シート - 写真のすすめ
撮影データを記録しましょう! - KENのつぶやき
撮影データ記録 - 記憶のDF50
撮影情報の必要性 - Yahoo!知恵袋

今後、撮影に出かけるときはこの手のシートをプリントして出かけようと一度は考えてみました。しかしながら撮影中に紙とペンを取り出して何かを記入するというアクションが必要なのは変わりありません。それだと本質的にはメモ帳に書くのと大した差はないので、あまり意味はなかったりします。

そもそも時代は21世紀なわけですし、紙とペンによる記録方法ってあまりにも前時代的な感じがしてしまいます。さすがに今の世の中、インターネット上に何か答えがあるんじゃないかと思い、いろいろ探ってみました。例えば撮影データを記録できるiPhoneアプリだったり、Androidアプリだったり。はたまたウェブサービスだったり。そういうものがないかけっこう綿密に探してみたのですが、ビックリすることに存在しないんですね。

ないんだったら仕方がない、ということで自分で作ることにしました。最初に考えたのはiPhoneアプリ。撮影データを記録するぐらいのシンプルな機能なのでやろうと思えば僕でも作れるレベルな気がします。ただ、iPhoneアプリはMacがないと作れない。僕の自宅のPC環境はWindowsです。ということでiPhoneアプリは断念。であればAndroidアプリにするか、とも思ったのですが、そもそも僕がAndroid端末を持っていないので意味なし。

アプリの線はナシ。なのでシンプルにHTMLで作ることにしました。あまり凝ったものを作るのもめんどくさく、個人の認証を必要とするのも手間ばかりかかって大変なので、単純に「ブラウザで入力した撮影データをmailtoでメールソフトに渡すだけ」というシンプルな仕様にしてみました。

撮影データ記録帳

画面の横幅をiPhoneに最適化しているので、別の端末で閲覧するとちょっと違和感があるかもしれません。

見た瞬間に「おい!手抜きすぎだろ!」と思うかもしれませんが、とりあえず必要最低限のことはできると思います。実際これを使って撮影データを記録してみましたが、まぁまぁ、紙とペンで記録するより多少はマシになった感じはしました。

ちなみにファイルの出力は「テスト出力」をクリックして、その上で「送信」ボタンをクリックすることでメールソフトを起動するようにしました。入力ミスのことなども考え、一回ブラウザ上で確認できるプロセスを設けてみた感じです。出力されるデータはカンマ区切り、要するにCSVです。データをエクセルで簡単に読み込めるようにしてみました。

本当はいろいろ機能を付け加えたかったんですが、とにもかくにも僕自身が撮影に出かけるときに紙とペンの記録から早く脱却したかったので、とにかく「最低限動く状態」で使い始めることにしました。ただ、iPhone Safariはキャッシュ不足のときなど勝手にページを再読込してしまうことがあります。そうなったらせっかく入力したデータが一気にクリアされてしまうので、場合によっては「せっかく入力したデータが消えた」という事態が発生してしまう可能性があります。なのでこれを使うときには必要ないアプリやSafariのページを閉じるなどして、できるだけメモリ空間を開けて使うようにしようと思ってます。

上記のような欠陥といいますか、手抜き構造なので、みなさんが使うのは推奨できません。ただ、一応将来的には誰でも使えるようにするため、メアドのハードコーディングなど僕しか使えない仕様みたいなのは入れないようにしています。なので気が向いた方はトライアルと位置付けてお使いください。さすがにガチでご利用になられて責任持て!と言われても困りますので、その点ご了承ください。


という長い前フリを経て、ようやく今日の写真です。これも多摩川沿いで撮影した桜の写真です。手前の桜が花開いているから奥の木も咲いているように見えますが、実は咲いているのは手前の一本だけです。頭上に広がるピンクの春色。足元は枯れ草の小道。季節の変わり目が感じられる場所でした。

アップロード日時 : 2011年4月 1日 00:03    撮影場所 : [ 世田谷区 ]

地図

撮影詳細情報

撮影情報
撮影場所 多摩川河川敷 多摩川遊園
撮影日時 2011年3月26日 15:23
カメラ情報
カメラ ZEISS IKON Icarex 35 CS TM
フィルム FUJICHROME Velvia 100
フォーマットサイズ 35mm
ISO感度 100
露出時間 1/250秒
レンズ情報
レンズ Pentor 35mm F2.8
焦点距離 35mm
絞り f/8.0

コメント

コーヒー様、ご無沙汰しております。先日ウグイスが歌の練習をしているのを耳にしました。三寒四温を繰り返しながら、春本番もあともう少しですね。
コーヒー様の熱の入ったブログを拝見して、お身体の方も順調に回復されているのかなと思ってみたり、楽しく写真の勉強をさせていただいております。最近のコーヒー様の写真の変化には、いろいろな仕掛けがあったのですね。写真の表現の奥深さに、ハッとさせられ、写真の楽しみはどんどん無限に広がります。
ポケットのメモ帳といえば、ミニミニキャンパスノートをふと思い出し、ちょっと笑ってしまったのと同時に、自分にぴったりのものがなければ、自分で創り出してしまうというコーヒー様に脱帽です。
地震以来、何となくお出かけする気力がなくなっていましたが、コーヒー様の行動力に触発され、もうすぐ訪れる春本番を楽しみたいと思います!

投稿者 のんのん : 2011年4月 2日 08:47


>のんのんさん
ごぶさたしております!お久しぶりです。寒暖の差が激しい昨今、ホントに少しずつ春の足音が近づいてきている気がしますね。桜も徐々にではありますがツボミをほころばせはじめてくれて、春本番へのカウントダウンが始まったような雰囲気すら感じられます。

昨年末から今年の頭にかけてホントにいろいろありまして、趣味の写真撮影においても機材、撮影対象など含めて大きく変化しつつある中なので作品のクオリティがいまいち安定していないのも実を言うと自覚はしています。なのですが、こうやっていろいろトライしていくうちに、そのうち自分なりのスタイルを見つけることができるんじゃないかと思っていまして、今は「慣れ」を養っている時期かなと思っています。

投稿者 コーヒー : 2011年4月 2日 19:37


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