街角散歩

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2006年10月30日

新境地の開拓

新境地の開拓

今日はちょっと冒険をしてみました。いつものように写真を撮りに出かけたことは出かけたのですが、いつもと違うカメラを使ってみたのです。基本的にカメラとは写真を「記録」するための操作をする道具であって、写真そのものの画質とはあまり関係がないと思っていました。例えばライカやニコンやキヤノンというカメラは、それぞれ操作性や所有する満足感などの違いはあれど、それは画質に結びつくものではないような気がしていたのです。

というのも、画質を決めるのは「レンズ」と「フィルム」であり、「カメラ」は様々な特徴を持つ「レンズ」を通過してきた光を「フィルム」という、これまた様々な特徴を持つ媒体に記録するものでしかないと思っていたのです。ところが、時代がかわり記録素子がフィルムからデジタルに変わることで、この認識は大きく変わりました。それまで風景は「フィルム」に記録していたのが、「CCD」なり「CMOS」といったデジタル素子で処理することになったのです。こうなるとカメラによっていろんな種類の素子が存在し、さらに各社独自の画像処理エンジンが働くことによってよりいっそう画質に差が出てきます。

基本的に僕は写真好きであってカメラ好きではありません。思った通りの写真が撮れるならばどこのカメラだっていいと思っています。これまでアップした写真はその大部分をキャノンのカメラで撮影していますが、実を言うとニコンだってかまわないと思っています。とはいいつつも、そんな僕にも実はひとつだけすごく気になるカメラがあったのです。普段僕が使っているのはいわゆる「一眼レフ」と呼ばれる方式のカメラなのですが、それではない「レンジファインダー」という方式のデジタルカメラがありまして、そのカメラがすごく気になっていたのです。レンジファインダーという方式もさることながら、前述の通り画質の面でも気になっていました。

このカメラ、いまどきの「オートフォーカス」「手ぶれ補正」などの全自動化の波と完全に逆行するフルマニュアルのカメラなのです。測光だけは多少やってくれますが、ピント合わせ、シャッタースピードの選択などは完全なマニュアル。シャッターも連写できず、一枚ごとにシャッターレバーを「ギギー」と巻かなければいけません。当然のことながらこれだけ手間がかかるわけですから、決定的な瞬間を狙うような撮影方法にはキビシイものがあります。ただ、一枚一枚を落ち着いて撮るにはすごく気合いの入るカメラです。そして出来上がりがこれまた驚きで、いつものキャノンのカメラで撮るものと明らかに違う空気感を写しとることができるのです。

実はこのカメラ、1ヵ月ほど前にどうしても欲しくてたまらなくなりこっそり購入していました。ところがこれまでこのカメラだけで本格的に撮影したことはありませんでした。というのも、僕はこのカメラ用のレンズを1本しか持っていないのです。キヤノンのカメラの方はズームレンズばかりですが、通してみると焦点距離10mm〜400mmのものを揃えています。レンズには手ぶれ補正がついていたり、フィルターもたくさん揃えていたりと、どんなシチュエーションでも撮影できるように機材を揃えているのですが、もう一つのレンジファインダーカメラの方は本体とレンズのみ。しかもレンズはズームではなく35mm単焦点1本のみ。フィルターも持っていません。こんな環境だけでちゃんとした写真を撮ることができるのか、ちょっと心許ないものがあって、今までふんぎりがつかなかったのです。

そして今日、初めてレンジファインダーカメラだけで撮影に出かけてみました。いつもはズームでググッといろんな所に寄って撮っていたものが、今回はそうはいきません。何かを大きく撮影したいときは自ら被写体に近付いていかなければなりません。広い空間を写したいときも超広角レンズなんて持っていないので、そういう画角はあきらめざるをえません。いつもの感覚から考えるとすごく制限が多いのですが、それがゆえにむしろ「写真の基礎」を学ぶことができたような気がします。

そうやって撮影したものの一枚が今日の写真です。これは東京駅から皇居の和田倉門に向かってのびる行幸通りのイチョウ並木です。イチョウの葉が半分ほど黄色く色づいていて、色づきの早い葉から徐々に散り始めていました。あと数週間もしたら見事なまでに黄色く色づいたイチョウ並木を見ることができそうです。

それにしても今回使ったカメラ、見事なまでにいつものキヤノンのカメラとは違う空気感を作り出してくれました。カメラ本体だけでなくレンズもいつもと違うため、写真の「シャープ」「ボケ」「色彩」どれをとっても新鮮な感覚で、まるで僕ではなく他の誰かが撮った写真のように見えます。今後もときどきカメラをかえながらいろんな被写体を狙ってみたいと思います。

アップロード日時 : 2006年10月30日 00:48    撮影場所 : [ 千代田区 ]

地図

撮影詳細情報

撮影情報
撮影場所 行幸通り 和田倉門交差点西側
撮影日時 2006年10月29日 16:37
カメラ情報
カメラ EPSON R-D1s
フォーマットサイズ APS-C
ISO感度 200
露出プログラム 絞り優先AE
露出補正 ±0EV
露出時間 1/17秒
レンズ情報
レンズ Voigtlander ULTRON 35mm F1.7 Aspherical BlackPaint
焦点距離 35mm
絞り f/1.7

コメント

フィルム式の一眼レフを持ってるんだけど。。。最近はもうデジカメ(もちろん薄型のオートフォーカスよ!)しか使ってない。。。
一眼で露出合わせたりするのも少しできるようになったところだったのに、もう忘れちゃったなぁ;;
また余裕できたらやってみようかな!
でもフィルム式ってやっぱり使いづらいな。

投稿者 ぺろたん : 2006年11月 8日 00:06


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