街角散歩

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2010年5月 5日

池端の水鳥

池端の水鳥

白金台にある国立科学博物館附属自然教育園を訪れました。今日はゴールデンウィークも後半の5月4日。この日は「みどりの日」ということで祝日に指定されています。この日は各地にある国公立の植物園が無料公開されるとのこと。という情報を全く知らないまま自然教育園を訪れたところ、入り口に「今日は入場無料」という看板があったのでちょっと得した気分にひたれました。

今回訪れた自然教育園はもともと江戸時代に屋敷があった場所の跡地で、明治時代には軍用地となり、大正時代には宮内省管理の御料地となって、戦後になって自然教育園として一般公開された場所。広大な敷地の中に武蔵野台地の自然環境が本当に自然のまま残されているという都内では希有な場所です。自然教育園は周囲を目黒通り、外苑西通り、首都高速2号目黒線に囲まれていて、5分ほど歩くと山手線の目黒駅にたどり着きます。要するに都会のド真ん中にあるわけです。そんな場所に100年近く手つかずの状態の自然が残されていると思うとすごく貴重な感じがします。

そんな自然教育園で撮影したのが今日の一枚。写真の手前は「ひょうたん池」という園内にある池。その奥に見える白いのはサギです。そしてさらによーく見るとサギの足下に茶色いカモがいます。うっそうとした森に囲まれた薄暗い池のほとりに真っ白なサギが羽休めをしている様子がとても印象的でした。

自然教育園でサギというと一つ思い出すことがあります。一昨年の今頃、この場所を訪れたときのこと。この日もカメラ片手にブラブラ歩き回っていたのですが、園内にある「水鳥の沼」という場所にたどり着いたとき、池のほとりで三脚を立ててレンズを沼に向け写真を撮っている人がいるのに気づきました。見ると沼の様子がなかなか幻想的な雰囲気に。ということで僕も池の脇に座って写真を撮っていると、先に写真を撮っていた人が話しかけてきました。

「どうです?うまく撮れました?」
「え?何をですか?」
「何って!?サギを撮ってたんじゃないんですか?」
「サギなんていたんですか?」
「いやついさっきサギがフワッと飛び立って行ったじゃないですか」
「いやー気づきませんでした」

ということで、どうやら僕もサギを狙っていると思ったらしいのです。趣味写真の世界はジャンルが細分化されていて、だいたいの人は興味のある特定の分野の写真しか撮らないものです。このとき話をした方はまぎれもなく「鳥」ねらい。鳥ねらいの人はガッチリした三脚と巨大な望遠レンズを持っていて、しかも自然に溶け込む目立たない服装をしているのですぐわかります。鳥ねらいの人は珍しい鳥が飛び立つ瞬間、着水する瞬間など、動きのあるシーンをねらうため、同じ場所にカメラをかまえたままひたすらシャッターチャンスを待ち続けるものです。

一方の僕は鳥専門でも何でもなく、何気なく池のほとりを通りすぎるときにサギの姿を見つけたので思わず撮影してみたというのが今日の写真です。鳥写真専門の方にとっては凡庸な作品かもしれませんが、そもそも今日は高感度に弱いコンタックスのカメラを使っていて、かつ三脚も持っていなかったので、いわゆる動きのある鳥写真を撮ることは不可能。ということで今回はむしろ僕らしく、周囲の森と池の雰囲気をメインに作品を組み立ててみました。

アップロード日時 : 2010年5月 5日 03:42    撮影場所 : [ 港区 ]

地図

撮影詳細情報

撮影情報
撮影場所 国立科学博物館附属自然教育園 ひょうたん池
撮影日時 2010年5月 4日 16:36
カメラ情報
カメラ CONTAX N DIGITAL
フォーマットサイズ 35mm
ISO感度 200
露出プログラム 絞り優先AE
露出補正 -0.38EV
露出時間 1/25秒
レンズ情報
レンズ Vario-Sonnar T* 70-300mm F4-5.6N
焦点距離 282mm
絞り f/5.7

コメント

こんな森が、都会のド真ん中にあるなんて、ほんとビックリです。サギはすぐに分かったのですが、よーく目を凝らしてカモを発見したら、ちょっとうれしくなってしまいました。何だか仲良しの鳥ですね。それにしても、鳥ねらいの方の服装はすぐに分かるというのは、言われてみると、なるほど!ですね。今度どこかに撮影に行った際には、被写体もそうですけど、カメラマンにも興味を持って見てみたいと思います。

投稿者 のんのん : 2010年5月 5日 13:22


>のんのんさん
そうなんです。思わぬ場所に自然林があったりするのでビックリです。サギと一緒にいるカモいいですよね。僕自身撮影時にはその存在に気づかず、帰って写真を整理しているときにようやく気づきました。サギだけだと「凜」とした感じなのですが、カモがいることで全体がなんかほのぼのとした感じがします。そしてカメラマンの服装、意外とわかりやすいものですよ。自然が多い場所でじーっとしてるカメラマンを見かけたら服装を見てみてください。けっこうわかるものですよ。

投稿者 コーヒー : 2010年5月 6日 01:22


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