街角散歩

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2006年7月19日

雷雨の山鉾巡行

雷雨の山鉾巡行

7月17日、日本三大祭の一つ、京都・祇園祭のクライマックス「山鉾巡行」が行われました。この巡行、大学時代に二度ほど訪れたことがあったのですが、いずれもすごい人出で身動きすらままならないような状態だったのを記憶しています。うまく撮影できるかどうか自信がなかったのですが、何はともあれ現場を訪れてみました。

当日はあいにくの雨。にもかかわらず沿道は尋常ならざる人出。僕が向かった場所は四条河原町交差点の南東、阪急百貨店の角。ここは山鉾巡行の目玉とも言える「辻回し」を見ることができるベストポイントなのです。祇園祭の山や鉾には巨大な車輪がついていますが、これはハンドルがついているわけでもないので直進しかできません。しかし巡行のルートには直角に曲がらなければならないポイントが数カ所あります。そのとき「辻回し」というテクニックを使って方角を 90°変えるのです。具体的に言うと、鉾の真下に薄い竹を敷き詰め、鉾を真横に引っ張って敷き詰めた竹の上を滑らせるのです。この作業を3回ほど繰り返すと、うまい具合に鉾は90°方向を変えることができます。3回で90°ということは、1回で30°ほどまわることになります。これがけっこう劇的にズズーっと動き、巨大な鉾が一気に方向を変えるため、見ていてとても迫力があるのです。

しかし、そんな見所満載の場所はそもそも劇的に人が多いものです。四条河原町の交差点は僕が訪れたときには既に人であふれかえっていました。そんな人混みを絶妙にすり抜け、割り込み、またすり抜けてなんとか前の方の場所を確保しました。ところが!ホッと一息ついたのもつかの間、山鉾巡行開始直前に四条通の河原町通り以東が自動車通行止め、歩行者専用となり、沿道にいた人たちが我先にと車道に乗りだしてポジション争いが始まってしまいました。僕も果敢に飛び出し、なんとか前から2列目の場所をキープすることができました。

そんなすったもんだがありつつも、ようやく山鉾巡行が開始。遠くに見えていた鉾が徐々に近づいてきました。山鉾巡行の先頭は例年「長刀鉾」という鉾が勤めることになっています。見た目的に最も勇ましく、かつ美しい鉾です。僕がねらっているのもこの鉾です。9:30すぎ、長刀鉾が四条河原町の交差点に到着。辻回しの準備が始まりました。すると、僕の周囲の人々が一気にカメラを構え、前方へと押し寄せてきてギューギュー詰めの状態になってしまいました。さらに運の悪いことに元から降り続いていた雨がここにきて豪雨となり、雷さえ鳴り始めたのです。既に身体中ビショ濡れ。カメラやレンズすら危うい状態になってきました。しかしここでやめたら何のために京都を訪れたのかわからなくなります。気合い入れて身体中に力を入れ、押し合いへし合いに負けることなく写真を撮り続けました。そうやって撮影したのがこの一枚です。

ところでなぜ、この写真を当日のうちにケータイからアップしなかったかというと理由は単純で、ケータイで撮ることができなかったからなのです。一眼レフカメラを構えているのが精一杯で、ズボンのポケットからケータイを取り出すことができないほど激しい混み具合だったのです。たとえるならば、ピーク時の山手線状態です。そんな中、追い打ちをかけるように激しい雷雨。さすがに限界でした。これまでいろんなシチュエーションで撮影をしてきましたが、今回が最も過酷な状況でした。ちなみに、撮影が終わった後、僕自身がビショ濡れになったのは全く問題ないのですが、カメラの調子が若干おかしくなってしまいました。オートフォーカスが効いたり効かなかったりと挙動が怪しくなり、レンズも内側が曇って、その日は全く使えなくなってしまいました。旅の途中にとりあえずの応急処置はしましたが、本当に大丈夫か綿密に確認しなければならなそう。

何はともあれ、今回の京都3泊4日の旅ではかつてないぐらいアグレッシブに写真を撮りまくりました。撮影した写真は全部で1084枚。祇園祭だけでなく、他にもかなりの場所をまわりました。今後、少しずつアップしますので楽しみにしててくださいね。

アップロード日時 : 2006年7月19日 02:23    撮影場所 : [ 京都 ]

地図

撮影詳細情報

撮影情報
撮影場所 四条河原町交差点
撮影日時 2006年7月17日 09:51
カメラ情報
カメラ Canon EOS 20D
フォーマットサイズ APS-C
ISO感度 400
露出プログラム 絞り優先AE
露出補正 -2/3EV
露出時間 1/100秒
レンズ情報
レンズ EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
焦点距離 105mm
絞り f/5.6

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