街角散歩

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2006年9月19日

夕刻の疾走

夕刻の疾走

この週末、ホントは行こうと思っていた場所があったのですが、雨の日に訪れてもおもしろくない場所だったので来週に見送り。ということで今日は駒場に行ってきました。東京大学駒場キャンパス、旧前田侯爵邸などを撮影してまわりました。17:00ごろ、一通り撮影を終え、駅前で缶コーヒーを飲んでいると、それまで空を覆っていた雲が少しずつ薄くなり、時折青空が見えてきました。西の空では太陽が顔を出し、雲を照らし始めていました。ここでふと気づきました。ここ最近の雲は台風の影響によって発生したもの。それがなくなったときの夕方は美しい夕焼けになる確率が高いのです。そう思って雲の見てみると、いかにも夕焼けが発生しそうな雲模様でした。

夕焼けが発生するにはいくつかの条件があります。空の低層に雲があると、そもそも太陽の光が遮られてしまってまともな夕焼けにはなりません。ただし雲が全くないというのもこれまた困りもので、太陽の光を受けて明るく光ってくれるものが存在しません。最もいい条件は高層にある程度の雲がまばらに広がっている状態。さらにその上で空気が澄んでいなくてはなりません。今日は台風の影響で中低空の雲の流れが速く、しかも雨上がりだったため空気が澄んでいました。そう!まさに今日は夕焼けにピッタリの気象状態だったのです。

このことに気づいてからはかなり焦りました。撮影する場所を探さなければならないのです。駒場では地平線スレスレの最も美しい部分を見ることができません。このとき時刻は17:30。まだ夕焼けは始まっていませんでしたが、とりあえず急いで井の頭線に乗って吉祥寺方面へ向かいました。下北沢を過ぎるころ、まだまだ空には何の変化はありません。ところが明大前を過ぎるころ、空が少しずつ色づき始めました。やばい!と思い、窓の外をずーっと見ていました。高井戸を過ぎたあたりから、もはや空は夕焼けのピークまであと一歩というところまで輝き始めていました。ここで重要なのはどこの駅で降りるかです。井の頭線界隈は土地勘がなく、どこの駅が見晴らしがいいのかサッパリわかりません。富士見ヶ丘、久我山、三鷹台と電車が駅につくたび、周囲の風景を見回してみましたが、どれもイマイチ。

電車が三鷹台を出たとき、窓の外はもはや夕焼けのピークに突入していました。もはやこれ以上待ちきれなくなった僕は、次の井の頭公園で電車を飛び降り、ダッシュで駅を出ました。公園だったら多少は見晴らしがいいんじゃないだろうかという甘い考えがあったのですが、その予想は大ハズレ。井の頭公園は一面森で覆われていて、地平線どころか夕焼けそのものがヒジョーに見づらい状態でした。よく考えたら井の頭公園は「三鷹の森」って言うじゃないですか。あきらかに「森」ですよ。そんな場所、見通しがいいはずがありません。どこに行けばいいのかわらかなかったので、とりあえず高台を求めて公園を飛び出し、住宅街へとダッシュしました。そこで撮影したのが今日の一枚です。

この写真を撮影したあとも、より高台を求めて走り回りました。今日の撮影道具は合計6〜7キロの重さがあるのですが、その重さも忘れて久しぶりに全開ダッシュしました。かつて一度だけ井の頭公園を訪れたときの記憶を頼りに行き場所を考えてみました。確か吉祥寺の丸井側入り口の近くに七井橋というボート乗り場につながる橋があったことを思い出しました。とりあえず考えているヒマもないので、まずはダッシュです。もはや薄暗くなった公園を巨大な鞄を持った中年男が疾走する姿は、端から見たらかなり奇妙な光景だったことでしょう。でもそんなこと言ってられません。こんな夕焼けは一年のうち数回しか見るチャンスがないのです。しかもそんな夕焼けのときにカメラを持っているとは限りません。今日は千載一遇のチャンスなわけです。

走りながらも空の様子はつぶさにウォッチング。木々の切れ目があるところで所々立ち止まっては写真を撮る、そしてまた走っては写真を撮るということを繰り返しながら、なんとか七井橋までたどり着きました。橋の上は夕焼けを見る人であふれかえっていて、みんなケータイカメラで写真を撮りまくっていました。そんな中に猛ダッシュでかけこみ、ソッコーでポジションを確保してカメラを構えました。ところが!残念ながら夕焼けはもはや収束に向かっており、黄金色の空はもはや消え失せ、赤紫色に変わっていたのです。夕焼けのピークは10分ほどしかありません。さすがに井の頭公園駅から七井橋まで500メートルあまりとはいえ、住宅街に出たり、途中立ち止まりながら撮影したりしていたので、それなりに時間が経過していたようです。

仕方がないのでとりあえず赤紫色の空だけでも撮影しようと思い、ファインダーをのぞいてみました。ところがかなりの距離をダッシュしたためか身体中から汗が噴き出し、玉のような汗がボタボタ落ちてきます。そのうち汗が目に入って、ファインダーの中をまともにのぞくことすらできなくなってしまいました。高校球児さながらシャツの裾で目をぬぐい、なんとかいくつかのパターンを撮影することができました。

それにしても今日はホントにうかつでした。今朝の段階から夕焼けの兆候はいくらでも知ることができたのです。それなのにその兆候に気づかず、夕焼け直前までボーッとしてたわけです。もし早めに気づいていたらサンシャインなり六本木ヒルズなり、高台でカメラを構えて待つこともできたわけです。そもそも駒場東大前から吉祥寺に向かったのも今考えてみたらどうかと思うのですよ。渋谷に出ていれば、マークシティなり、R246の歩道橋あたりから撮影できたはずです。そもそも井の頭公園で降りずに吉祥寺まで出ていれば、JRのホームの端っこから西側の風景が見通せたはずです。いろいろ思い出してみると、焦っていたためかいろんな判断ミスを重ねてしまっていました。

返すがえすも残念な今日の夕焼けですが、とりあえず数パターン撮ってみましたので、折に触れてアップします。

アップロード日時 : 2006年9月19日 01:16    撮影場所 : [ 都下 ]

地図

撮影詳細情報

撮影情報
撮影場所 武蔵野市吉祥寺南町1丁目周辺
撮影日時 2006年9月18日 18:05
カメラ情報
カメラ Canon EOS 20D
フォーマットサイズ APS-C
ISO感度 100
露出プログラム 絞り優先AE
露出補正 -1/3EV
露出時間 1/160秒
レンズ情報
レンズ EF24-70mm F2.8L USM
焦点距離 24mm
絞り f/2.8

コメント

夕焼けの為にそこまで東京を奔走するというのは、もうプロのカメラマンだねぇ。

そうそう、写真もさることながら、いつもタイトルが上手だなぁと思って見てます。

投稿者 ぺろたん : 2006年9月22日 01:46


キレイな夕焼けを見るとどうしても撮りたくなっちゃうんだよね。東京ではキレイな夕焼けなんて年間で数えるぐらいしか見ることができないから、けっこう貴重な現象なんだ。

タイトルに気づくとはお目が高い!(笑)実は本文を書く時間以上にタイトルを考えるのに時間を費やしてる。

投稿者 コーヒー : 2006年9月26日 02:40


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