薄緑のサクラ

・2006年4月10日「近所の穴場」
・2006年4月10日「遅れてきた春」

このとき、遅咲きの八重桜が満開の時期を迎えていたのです。それはそれは美しく、思わぬ発見にかなり歓喜した記憶があります。あれから2年。今年もソメイヨシノの季節が終わったので、そろそろ頃合いかと護国寺を訪れてみました。

境内を抜けて八重桜が咲いているエリアへ行ってみると、なんと！サクラが全く咲いてないではありませんか。枝先に申し訳程度、ちょこっただけ花が数輪咲いているだけ。2年前に見た圧倒的なまでの美しさは見る影もないといった感じでした。もしや地球温暖化の進行で八重桜の開花も早まったのではないかと原因を考えていたところ、ふと近くを通りがかった和服姿の女性たちの会話が耳に飛び込んできました。

「このサクラ、今年はぜんぜん咲かないね」
「こないだ聞いた話だと、この木、病気にかかったらしくて、おそらく今年は花が咲かないんじゃないかって言ってたよ」

ということで、どうやらお目当てだった八重桜は今年花が咲かないっぽいことがわかりました。仕方なく境内をウロウロして他のものを撮っていると、緑色の変な形の葉っぱみたいなものを発見。よくよく見てみると、何やら花っぽい。何かと思い見ていると、またしても近くを通りがかった人の会話が耳に飛び込んできました。

「見事な黄桜ねぇ」
「今日はちょうど黄桜の見頃よね」

というわけで今日の写真は黄桜です。黄桜って名前は聞いたことあるのですが、頭の中のイメージは完全にお酒。黄桜というサクラがあることは知ってはいたものの、全く意識に上ってきませんでした。よくよく見てみると、八重桜のように花びらがたくさん固まっているようで、それでいて色は鮮やかな緑色。考えてみると、自然界には様々な色の花がありますが、緑色の花はとても少かったりします。そう思うと、この黄桜というサクラはかなりレアな植物なのではないかと思ってしまいました。